〔文芸〕 草間彌生外国文学エッセイ詩歌評論漫画

幼な子ボラナト

幼な子ボラナトラビンドラナート・タゴール/
神戸朋子 訳

2022.2.25刊
A5変形上製160頁 2200円(税込)
ISBN978-4-88059-432-3 C0098

百年の時を超え、インドの詩聖タゴールが幼な子の純粋な世界を語りかける──
タゴールは1920年にアメリカを訪問した折、富への飽くなき追及が人間性を蝕んでいく様を見て心を痛めた。その反動から、幼な子の世界の真理を「ボラナト(シヴァ神の別名)」の無欲でこだわりのない姿に託し、詩集「幼な子ボラナト」は書き上げられた。タゴールはすでに百年前から、物質文明の果てなき欲望が、自然破壊や人間性喪失をもたらすことになると警鐘を鳴らしていたのである。

著者:ラビンドラナート・タゴール(1861-1941)
インドの詩聖。文学、哲学、教育、音楽、絵画など多方面で数多くの業績を残す。1913年詩集「ギタンジャリ」によりアジアで最初のノーベル文学賞を受賞。多彩な創作の中で最上のものは歌であると自ら述べているように、作詩作曲の歌は2000曲余に及ぶ。自然の歌、祈りの歌、愛の歌、思想・哲学の歌などが「ギトビタン(歌詩集)」に収められている。インドとバングラデシュ両国の国歌もタゴールによる作詩作曲である。詩集に「渡り翔ぶ白鳥」「園丁」「黄金の舟」ほか。小説に「ゴーラ」「家と世界」「最後の詩」ほか。戯曲や舞踊劇も多数あり、講演集に「生の実現」「人間の宗教」などがある。

 ★「図書新聞 4/30号」に書評掲載(外川昌彦氏評)。
 


休息のとり方

休息のとり方福間健二

2020.7.10刊
四六判上製184頁 2200円(税込)
ISBN978-4-88059-420-0 C0092

学生時代より、映画と詩作の二つの領域で先見性と冒険性にみちた活動を続け、その後、四方田犬彦や辻仁成も参加した“詩と映画の雑誌”「ジライヤ」を創刊 (1989~96年、20号で終刊)。3.11を含む期間に制作された詩集『青い家』では、萩原朔太郎賞と藤村記念歴程賞を受賞。詩人・福間健二が、戦前・戦中・戦後という過去の時間に挑みながら、今日とこの先に待つ世界の変化に「耐えうる」という以上の言葉を残そうと願ってまとめたのが、詩集『休息のとり方』である。 59篇を収録。

著者:福間健二(ふくま・けんじ)
1949年、新潟県生まれ。詩人、翻訳家、映画監督として活躍。首都大学東京名誉教授。
2011年、詩集『青い家』(思潮社)で萩原朔太郎賞、藤村記念歴程賞を受賞。
著書『佐藤泰志 そこに彼はいた』(河出書房新社)、翻訳『ブローティガン東京日記』(平凡社ライブラリー)、映画『パラダイス・ロスト』(tough mama)ほか。

 ★「サンデー毎日 2020.8.2号」に書評掲載(岡崎武志氏評)。
 ★「東京新聞 8/1」〈杉本真維子のあくまで、詩〉にて紹介。
 ★「現代詩手帖 9月号」◎Book欄にて紹介(金井雄二氏評)。
 ★「図書新聞 9/26号」に書評掲載(中尾太一氏評)。
 ★「婦人公論 10/27号」に書評掲載(渡邊十絲子氏評)。
 ★「東京新聞 12/26」読書面、年末恒例「私の3冊」に選出(三角みづ紀氏選)。



解析短歌論──喩と読者

解析短歌論永田和宏

1986.2.25刊
四六判上製256頁 1980円(税込)
ISBN978-4-88059-090-5 C1095

「表現の吃水」に続く、第2評論集。比喩論と読者論を軸に現代短歌の諸問題を真っ向からときほぐす力作。ことに、比喩を現代短歌に不可欠なものとする視点は鋭い。



表現の吃水──定型短歌論

表現の吃水永田和宏

1981.3.25刊
四六判上製256頁 1870円(税込)
ISBN978-4-88059-040-0 C1095

三枝昴之とともに、もっとも尖鋭な「短詩型文学論」の展開をすすめてきた著者の主要な論考を集成し、短歌定型の構造と特性を抽出しつつ、短詩型文学の彼岸を展望する待望の第1評論集。



うたの水脈

うたの水脈三枝昴之

1990.11.25刊
四六判上製288頁 2750円(税込)
ISBN978-4-88059-146-9 C1095

近代短歌史の根底を鮮やかに読み解く、待望の第2評論集。「短歌という詩型が最も生き生きとかがやく場所はどこにあるか、そういう問題に歌人たちがどんな回答を用意したか、これが今回の論考を貫く主題だ」



現代定型論・気象の帯、夢の地核

現代定型論・気象の帯、夢の地核三枝昴之

1979.12.25刊
四六判上製364頁 1980円(税込)
ISBN978-4-88059-031-8 C1095

書下ろし評論「熱意の根源」を中心に、著者積年の課題としてきた「定型論」を軸に展開する短詩型文学論のダイナミズムは、その硬質の文体とあいまって、読者を魅了せずにはおかない。



創造的塚本邦雄論

創造的塚本邦雄論安森敏隆

1987.7.25刊
四六判上製192頁 1980円(税込)
ISBN978-4-88059-107-0 C1095

敗戦直後、「第三芸術」といわれた短歌を救うかの如く登場してきた塚本邦雄の生成の秘密を解明しようとする著者の真摯な姿勢が全篇を貫いている。殊に茂吉と塚本との連続性を、塚本の茂吉論を通して論じた個所は白眉。



探検百首 ■塚本邦雄の美的宇宙

探検百首 ■塚本邦雄の美的宇宙北嶋廣敏

1986.7.20刊
四六判上製228頁 1980円(税込)
ISBN978-4-88059-094-3 C1095

前衛短歌の中心として、戦後の歌壇に多大の衝迫を与え、後につづく若い歌人たちにはかりしれぬ影響を及ぼした塚本邦雄の作品から百首を選び、著者独自の若々しい解釈を試みた好評論。



歌うならば、今── '84京都春のシンポジウム

歌うならば、今── '84京都春のシンポジウム河野裕子、道浦母都子、阿木津英、永井陽子 編

1985.6.25刊
四六判並製152頁 1320円(税込)
ISBN978-4-88059-085-1 C0095

女流の時代の先駆けをつげる女流歌人の歯に衣きせぬ白熱の討論。女歌とは何か。短歌表現による女の現在を鋭く問う。1984年、京都で開かれたシンポジウムの全記録である。



詩集・火と炎

詩集・火と炎フィロッテ・オネディ/
川口顕弘 訳

1983.3.25刊
四六判上製204頁 2750円(税込)
ISBN978-4-88059-063-9 C1098

1830年代のフランスで、後世「小ロマン主義」と呼ばれる「怒れる若者たち」は、奇矯性・反社会的な行動をとることによって、巨大な反動勢力に抗い、その多くは敗北して世間に埋没していった。その作品の一つをここに紹介する。



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